タローさんちの、えんがわ

「音楽をする」って、 「音楽的に生きる」ってこと

ブログ再スタート

父がこの世を去ってから四ヵ月が過ぎ、ようやく最後の遺品整理と諸々の処分を済ませて、父が育てていた金木犀を我が家の庭に持ち帰ることができた。枝を払われ、少しばかり小振りになった金木犀を眺めていると、僕自身も大きな節目を迎えさせてもらっていることを改めて感じた。陽のあたる、良い場所に植えてやろうと思う。

 

先だって京都で催した「いにしえの音楽夜会」も、自分にとっては大きな転換点になった。久しぶりに演奏曲の大半が初演曲だったこの舞台…曲だけでなく、楽器も奏法も(南米系やケルト系の手慣れた笛も使わない)新しい挑戦のオンパレードだったので、自分の演奏の仕上がりで言うなら、決して満足できた訳ではなかったが、それにも関わらず、終演後その場を去り難いほどの心地良い余韻を僕は感じていた。自分の演奏に対しては厳しくなりやすい僕は、舞台を終えて達成感や満足感を抱くことがこれまであまりなかったので、今回感じた後味には少なからず驚かされた。

 

客席の人々にとっては、全く馴染みがないであろう地域の、全く初めて聴くはずの音楽が並んでいるにも関わらず、2時間余りの間、途切れることのない集中力が伝わって来ていた。過去にも未来にも拡がる大きな時間の中を、皆さんと一緒に旅ができたような…そんな気がした。

 

自分なりの想いやこだわりが、思うような形で充たされずとも、心地良い余韻を感じれるような瞬間や経験というものが、日々の中にはあったりする。ひょんなことで、過去未来を超えた時の流れの中を一緒に旅しているような人々と出会うこともある。そうして人生は、去り難いものになってゆくのかも知れない。

 

ともあれ、こうして節目と思えるような出来事が続いたので、これを機会に更新が(2015年から)ストップしていたブログを再開しようと思い立った。ところが、IDはおろかパスワードから登録メルアドまでエラーが出てしまい、編集画面を開くことすらできない。

 

これは心機一転、新しくスタートせよということなのかも知れない。そう捉えて、こちらで改めてブログを再スタートさせることにした。こんなことが、以前にもあったような気がするんだけれど(笑)

2015年以前のブログにご興味のある方は
https://blog.goo.ne.jp/futsufutsu_taroを、そしてここ数年の僕の動向に関心を持ってくれる方は、facebook投稿https://www.facebook.com/Taro.Kishimotoを、講演関係のブログはhttp://ark2016.blog.fc2.com/ を、参照してもらえたら嬉しいです。

このブログが、僕と皆さんの世界をつなぐ新たな窓となり、扉となればいいな、と思っている。
 

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※5月25日「いにしえの音楽夜会」…この日演奏した楽器は、アルメニアのシュヴィとタブ・シュヴィ(共に僕が製作したもの)、モルドヴァのカヴァル、スロバキアのフヤラ、ギリシャのブズーキ等。