5月。田んぼでは…近所では…
5月の初め…近所の田んぼで、合鴨たちがはたらき始めている。と言っても、正確に言うと合鴨たちは、毎日少しづつ田んぼに慣れていってるところで、はたらいてるのはむしろ、この地域の大人や子供たちかも知れない。キツネやテン、カラスやトンビなど…無防備なヒヨッコたちを狙うヤツらが、山に囲まれたこの地域にはいっぱいいる。ヒヨッコたちの成長を見守る人々の「育み力」にいつも心動かされる。
22日土曜日は、まだ広く知られていない北陸新幹線延伸計画の問題を、よりリアルに捉えるための山歩きツアーに参加した。この、環境的にも経済的にも常軌を逸した破壊計画は、京北や美山のような山村だけでなく、京都市街地や近隣県をも巻き込んで、近未来に甚大な被害と損失をもたらす可能性が高い。気合を入れて臨むつもりが、何故か遠足前の小学生のように一睡もできず…それでちょっと惚け気味だったのか、山道で膝辺りを変にグネってしまい、行程半分からは膝が痛くてまともに歩けなくなってしまった。この歳になるまで、骨折はおろか捻挫もほぼしたことなくて、こういう痛みもいわば初めての体験…だったが、この山道はかつて平家の落人も歩いた道らしく、それならうちの先祖とも何らかのつながりがある訳で、そんな風に人々の道程に想いを馳せていたら、今度は今まさに山越えで国境を越え避難している難民の人々のことを考え始めてしまい…足元だけではなく、心までが一人さまよってしまった。