タローさんちの、えんがわ

「音楽をする」って、 「音楽的に生きる」ってこと

2021年、年末二ヶ月のご報告

f:id:KishimotoTaro:20220106091106j:plain

ツクル森オープニングでのフヤラ合奏。スロバキアの巨大羊飼いの笛が毎年この京都の山奥で三本も並んで吹き鳴らされているとは、現地の人々も思いもしないだろうな
FBもブログも投稿する間もなく、あっという間に過ぎた怒涛の如くの2021年秋~冬…いや、単に元々の、発信や報告を二の次にし過ぎる癖が出てしまったのかも。
とは言え、年末の二ヶ月は本当に日々を文言化するような気分にはなっていなかった。11月には「ひらいた祭(イベント・フェス)」であるツクル森、そして12月には「とじた祭(祭事・儀礼)」である冬至祭…このエネルギー的にも秀逸な流れである年末に大行事&幾つかの重要な行事は、どれも一つ一つかみしめて心に留め置きたく、こうして誰に向かうとでもないような発信に落とし込みたくなかっただけなのかも知れない。

f:id:KishimotoTaro:20220106091318j:plain

ツクル森二日間終了後の記念写真…円形ステージの上の巨大ティピの中に集まったスタッフやお客さんのこの写真は、まるで地球にやって来た宇宙船の中身写真みたい

◆11月6日&7日「ツクル森」…ひらいた、まつり

今年は、この催しがイベントやフェスという範疇ではなく、ある意味新しい「ムーブメント」になりつつあることが明確に見えた年となった。職業柄これまで多くのイベントやフェスに出演してきたし助力もして来たけれど、ツクル森はそのどれとも異なった方向性を持っている。「そこをキャッチしている人々」が次々とつながり、そこをキャッチしている人々が模索し続けることで生まれつつある風景。それらに関して書きたいことや写真・動画はいっぱいあるんだけど…そういうのがあまりにもあると「何も書けねぇ~!」ってなっちゃうことが今回よくよく分かった(^-^;

f:id:KishimotoTaro:20220106091714p:plain

今年はボランティアの撮影隊もいたのに、個の恒例・東欧フォークダンスの写真がやたらに少ない…そりゃそうだ、みんな踊っちゃってんじゃん!!

f:id:KishimotoTaro:20220106091831p:plain

写真や動画なんて撮ってる場合か、踊っちゃえ~!!

f:id:KishimotoTaro:20220106091924p:plain

いや、そりゃ写真ないわコリャ…輪になった踊りは夕暮れまで続く

f:id:KishimotoTaro:20220106092056j:plain

今年は中国音楽やハワイ音楽など、世界の音楽会は盛り沢山だった…そしてガムラン合奏団によるバリ音楽の演奏&ガムラン・ワークショップもついに実現!

f:id:KishimotoTaro:20220106092328j:plain

阪大で授業をとってくれてた学生さんたちもはじめて何人かこのツクル森にボランティアスタッフで参加してくれた…みんな、有り難う~❢数日間楽しかったね~~!!

f:id:KishimotoTaro:20220106094818j:plain

今年はじめて登場した、火起こしの儀式

f:id:KishimotoTaro:20220106094915j:plain

一番奥にあるジョンさんハウスは、居心地サイコー

f:id:KishimotoTaro:20220106095025j:plain

一日目の出演者総出演&即興セッション+ファイヤーダンスは、何だかヤバいほどの盛り上がり

f:id:KishimotoTaro:20220106095147j:plain

夜に行われる森の上映会も、超幻想的
◆12月22日「冬至祭」…とじた、まつり
毎年ここにもアップしている、地域住民しか参加できないこの「祭・儀礼」は文字通りの「祭」で、ある意味最も古くて最も新しい催事。それは「近代・現代」をスキップするような時間軸を内包している…という意味なんだけど、だからこそこれまで様々な音楽文化を追いかけて来た僕にとって、冬至夏至は地域の外に出たくない・他の仕事や用事をいっさい入れたくない節目の日になっている。そんな絶対的優先順位のようなものを明確にする事で生まれた視座のようなものが僕の中にはある。今年も一軒一軒巡りながらいろんな人の人生や暮らしに触れ、何だかしみじみと感じ入る時間を過ごさせてもらった。

f:id:KishimotoTaro:20220106092511j:plain

今年の冬至祭の精霊隊…この冬至祭は本気の祭でちゃんとした儀式でもあるから、(毎年の投稿にあるように)地域住民以外参加禁止、動画撮影や録音禁止で、写真も白黒にする決まりがある

f:id:KishimotoTaro:20220106093005j:plain

冬至祭のクライマックスの輪踊り…精霊たちによって冬至笛が吹く鳴らされる

f:id:KishimotoTaro:20220106093055j:plain

希望されたお家に到着後、森羅万象への感謝と鎮魂の儀礼では鹿の骨笛が演奏される…この後、家人のための祈りの儀式や輪踊りが始まる

f:id:KishimotoTaro:20220106093401j:plain

全ての儀式が終わると、その家の人たちとのお茶タイム…今年もいろんな家を訪れて、様々な暮らしや人生に触れて何だかしみじみと感じ入る時間を過ごさせてもらった

f:id:KishimotoTaro:20220106093526j:plain

最終地点の我が家でのセレモニーが終わると、恒例の冬至祭持ち寄りパーティー(食の儀)が始まる…毎年手作りの料理が持ち寄られるんだけど、どれも美味しくてレベルが高い

f:id:KishimotoTaro:20220106093732j:plain

地域の友人たちが持ち寄った料理にあちこちから手が伸びて「これ美味い!誰が作ったの?」「作り方教えて~」みたいな会話が飛び交うこの時間が、ホントに至福の時間
◆11月12日「鳥獣慰霊祭」、12月24日「ひかり保育園クリスマス・コンサート」
これら二つも、何よりも優先して引き受けたい催し。関西野生生物研究所が主催する「鳥獣慰霊祭」は、多くの動物たちが生息する地域に住む僕にとってもはや最重要な日になっている。心きよめてのぞみたい修行のような場。そして我が家の斜め向かいにある保育園での演奏は、地域の子供たちからいつも澄んだエネルギーを浴びている僕にとって、これまた最重要の催事。子供たちのスパークするエネルギーと、予測不可能なナゾ踊り(腹ばいで、半ば白目状態で高速回転し続ける、謎の踊り?)に吹いてしまい、演奏続行不可能に追い込まれたけれど…まさに心の安定が問われる修行の場。つまりこの二ヶ月は最重要・最優先の催しが続いていることになる。

f:id:KishimotoTaro:20220106093929j:plain

今年の鳥獣慰霊祭では洋子さんにも手伝ってもらって、なんとフヤラ二重奏も飛び出した
◆その他、様々なコンサートやステージ
実は仕事という意味では、日頃どちらかというと一般公開ではない場の方が今の僕には多い。つまり依頼を受けて演奏しに行く会員制の催事や式典・パーティーなどで、僕たちの音楽を「知らない人たち」、つまり初めて聴く人やそれ目当てじゃない人たち、もちろん音楽に全く興味がない人たちもいる中での演奏。大抵の場合BGMではなくコンサートなので、そういう人たちを相手に一時間ほど存分に楽しませる内容にしないといけないんだけど…ご存知の通り一般的には全く知られていない曲ばかりを選ぶ(笑)
こういう仕事は主催者や企画者からの信頼で声がかかるものだし、主催側から来場者への「プレゼント」でもあるから、やりたいものをやる…というような単純な感覚では出来ない。もちろん、勢いや押し出しだけではどうしようもない。責任があるし、年齢層も様々な人たちが、知らない音楽・初めての楽曲を楽しく興味津々に聴けるだけの工夫や技量が必要になる。正直一般的にメジャーな(イメージが付いてる)ジャンルの音楽なら、イメージで聴いてもらえはする。客席にいるのがファンなら、聴いているのは「それを求めて来てる人たち」だから、ある意味いつも通りでいい。でも、そうじゃない人たちが対象だと…好みを知らない人たち相手にその場で料理を作って出すようなものだ。
僕は元々、一般社会ではあまり知られてないような音楽文化に心惹かれてしまう人間だし、長年オリジナル作品を作って来た人間でもあるから、こういう場で自分のやってきたことの8割以上を封印して(笑)、信頼に応え役目を果たすのは…良い意味で人間を知ることや社会を知ること、そして修行になっている気がする。これもまた、ライフワークでもあるんだろうなぁ。**********************
気が付いたんだけど、僕は日頃ライフワークと呼べることしか、してない💦
それらは大概「たのしい修行」って感じかな。人と直に触れることや関わることって、たのしくて深遠なことだ。冬至という潮目からここしばらく、アレシオメーター(僕の場合は新しい練習中の笛ww)を手に、半ば無心に過ごしてたんだけど…どういう訳か年明けたらインスタでも始めてみようかな~と思い始めてる(笑)SNS苦手なクセに。