振り返ってみると、僕にしては珍しくアチコチ動き回ったこの秋(本当はこの美しい季節、仕事に動き回るよりも、ゆっくり家にいて、近所を歩いたり、自然の移り変わりを眺めて過ごしていたい)。
考えてみたら、元々人に会うのも、いろんな所を訪ねるのも好きな方ではあるので、これからは機会が巡ってきたら・誰かからお呼びがかかったら(いや、呼ばれなくとも)、もう少し足取り軽く、アチコチに出かけていこうかな…と、しばし反省。
さて、この11月は演奏の仕事以外にも、お話会(講演や対談など)も二件ほどあった。僕にとっては、コンサートもお話会も、そんなに変わらない。コンサートでもよく喋る方だし、笛の教室でも大学の講義でも、ステージ感覚でやっているようなところがあるから。
音楽や笛に関する講演会は、昔(音楽活動を始めた当初)から、度々引き受けることがあったが、ここ数年は、文化全般に関することや、意識・思考に関しての講演も増えた。内容は多少、哲学的で社会学的な内容ではあるけれど、これもまた僕にとっては、音楽の話をするのも、哲学的なことや社会学的なことを話すのも、あまり変わらない。色んな人と出会って、そういった内容について話すのは楽しい。
神楽坂にあるメディカルレイキアカデミーの龍光路浩子さんは、代替治療の専門家で、様々な分野の研究者や医療関係者と共に科学的なデータやエビデンスを積み重ね、ユニークな方法で治療にあたっておられる。とてもフットワークが軽く研究熱心な方で、数年前にエハン塾文化編という対談シリーズが京都で企画された際、会場に来られてて、それ以来親しくなり、レイキを指導して頂いたり、医療現場での興味深い話を色々聞かせて頂いたりしつ、あれこれと機会を見つけてはお会いさせて頂いている。
今回、東京・六本木での南米音楽ライブ(11/10)に合わせて、その前日(11/9)に浩子さんの主宰されるメディカルレイキ・アカデミーで講演を開くことに。タイトルは「音楽と祈りに出会う旅~世界で交感するエネルギー」というタイトルだったけれど、予想通り話はあちこちに飛んで、祈りの話に行きつかないままに終了(笑)
この日参加された方々のアンコールや、参加できなかった方々からのリクエストもあって、来年3月22日(金)に第二弾を企画することになった。浩子さんの友人知人を含め、面白い方々が集まって来られるので、次回もとても楽しみにしている。
グリシェンカフェのグリシェンさん(日本人だけどこれはウイグル名)は、僕の古い友人で、中央アジアの趣味趣味な布&衣装つながりで知り合った(グリシェンさんは中央アジアの民族衣装収集家・研究者)。その頃は広島に住んでおられたんだけど、今は北九州の門司にある古民家で、これまた国内ではレアな…中央アジアカフェを開いておられる。店内を埋め尽くす布や衣装もさることながら、お料理やコーヒーもとても美味しい、皆さんにおススメしたい素敵なお店。
このグリシェンカフェで「哲学カフェ」と称して(11/19に)催したのが、「音楽と、見えない世界について」。これは同じくグリシェンカフェで、5月に行った「自分自身に着地する」というお話会の、アンコール第二弾企画だった。これまた話が多方面に飛び、予定していた時間を少し越えた辺りで終了(笑)…なので、年初めの九州行きに合わせて、これまた第三弾を1月27日(日)に行う予定。
グリシェンカフェは、日頃からユニークな人々が集まっている。今後思わぬ怪人物と遭遇できる異空間系出会いカフェとしてその名を轟かすことになるのではないだろうか。
この二つのお話会の会場外観、こうして並べてみると、どちらも極めてカラフル!浩子さんやグリシェンさんのキャラクターを表すようで、何とも愉快だ。
そんな講演仕事の間に、とある会で演奏の仕事があったんだけど…演奏後の会食の席で、ホテルの特別顧問であるシェフによる、特製シーフードピラフの実演というコーナーがあり、そのコーナーで主催の方々のお勧めもあってシェフの指導を受けれることに。演奏後で油断していたところ、エプロン付けて壇上に上がることになってしまった(笑)
特別顧問シェフはとても素敵な方で、シーフードピラフも少しひねりのきいた美味しい味だった。シェフは女子大での料理実習でも指導されていたそうだが、実習が終わった際に学生たちに配るというお手紙があって、これがまた素敵だった。
「皆さんに私からお願いしたことは、料理材料は大切に、切ることは切り揃えること。一つの仕事をしたら直ぐに周りを綺麗にする。俎板に向かう姿勢は左側に拳一ツ体を外して、右肩を開き方を楽にして、やや背筋を伸ばして、洋のナイフは半分より先で引く、押す、トントンと叩く様にして、周りから見られている意識で料理作りに励んでください。
コックコートは美しく、袖のところでキッチリと捲り上げて、エプロンもしっかり絞めて、前で結び素敵な姿でお願いします。
料理作りは同じ料理を何回も繰り返してご自分の体に覚えさす事です、その中からご自分の得意なレパトリーを増やす努力が必要です、皆さん方が将来何処かでお料理をする姿を私は想像しています。
お料理の得意な素敵なレディーに成長されます様に願って終わります。」
…う~ん、レディーか。授業の感じを見てみたい。
シェフは指導の際、食材に全部「さん」付けをしていた(ニンジンさん、マッシュルームさん、ショウガさん、海老さん、カニさん、といった具合に)。いいなぁ。
上の写真は、門司港商店街にある、謎の食堂。ここが賑わっていた時代に、中に入ってみたい。平民っていつ頃までこの辺りでは使われていたんだろうか。