タローさんちの、えんがわ

「音楽をする」って、 「音楽的に生きる」ってこと

春…大学の講義始まる


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春、満喫…とはいえ朝は0~3度くらいまで落ちることもあるから、日中との温度差が大きくて、草花やクマンバチ、蝶々たちからも何となく戸惑いのようなものを感じる。世の中は相変わらずヘンテコ状態驀進中だけど、今は外で過ごすのに最高の季節…そしていつも通り、自然は人間どもを待ってはくれない。この地に移って来て最初の年は、リアルに朝から晩まで庭仕事をしていたけれど、寝る前に体重計に乗って4キロ近く減ってた時は、さすがにヤバいと思った。最近は無理しないで(笑)自分に甘く、暮らせるようになった気がする。でも案の定、草刈りも整備もなかなか追いつかない。

 

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闘病中の母を連れて母宅の近くの公園へ。母はあまり足が動かないんだけど、無理しても来た甲斐があったと何度もつぶやいていた。桜の黒い幹と薄ピンクの花のコントラストを眺めていると、いろいろ感じ入るところがあるなぁ。

さて、前期だけ担当している大阪大学での授業が今年も始まった。昨年受講してくれた学生さんが数人、再履修希望なるものを出して、二度目を受けに来てくれている。僕は授業を受けに来る学生さんたちに愛着を感じているので、素直に嬉しい。授業のタイトルは昨年と同じく、「共生の技法~ヒトはなぜ、うたい踊るのか~」。

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春になると、去年風に運ばれたままの線上で「タンポポ・ライン」が出来ている。

よく「どんな授業されてるんですか」と尋ねられるんだけど、一言で説明できない。社会人対象の講演会などをすると、「こういう話を学生の頃に聞いておきたかった」と仰る方が結構多い。でも実際には学生の頃に聞いても、ピンと来ない話も多いはず。でも中にはピンと来る学生さんもいるだろうから、キョトンとされたり聞き流されたりするのを覚悟で(笑)、そういう話も盛り込むようにしている。

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京都の街でぽっかり空いた時間に、北野天満宮を歩く。参道で上を見上げている人は少ない。でも、上の方ではすごい光の饗宴が繰り広げられている。

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これは大阪大学の構内。散らばった葉っぱを眺めているだけで、いくらでも座っていられる。 皆、こんな風にして過ごしたりしてるのかなぁ…ここにいられるのも、ここで好きなだけ座っていようと思えばそうできるのも、ほんの数年のことなんだよ。

現代日本人の多くは、一つ一つの言葉についてあまり知らないまま(知ろうとしないまま)、周りの人が使っているのを受けて「ただ使っている」。その意味や概念がどこかでおかしくなっていても…みんな同じようにして「ただ使っている」ものだから、気付く機会がまずない。これは「音が狂ったままの楽器を、みんな気付かずに鳴らし続けて、メロディを奏でてる気分・合奏している気分になっちゃってる」のに近い。社会の大部分がそうだったら、これはえらいことだ。 

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今年は鴨川べりをいいタイミングで歩くことが出来た。 この辺りは空気が美味しいな。川はもっときれいにしたい。この近くに住む人たちがその気になればそれは実現するだろうな。

でも日本は既に「えらいことになってる」状態が長く続いていて、随分昔から「個々の思考は乱れやすく、感性は機能しにくい状態になっている」。もしくは、別の機能を果たす状態に「追い込まれている」…と言ってもいいかも。

 

言葉はみんなが日常的に使っている「音」だから、その「調律や調整」は、即効性と実用性がある。なので、そこを入り口にして、日常の中でのものの捉え方や感じ方、考え方や行動を見直していくようなことを、授業ではよくやっている。

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去年も書いたけど、自分がこんなにチューリップ見て胸キュンするようになるとは思ってなかった(笑) 今年はどういう訳か四つがフォーメーション組んで風に揺れている。夕方にいそいそと閉じてるのがまたカワイイ。

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去年植えた、我が家の八重桜。僕は八重桜がかなり好き。桜餅みたいで美味しそうだから(笑)

教育が「おかしな状態」になっているのは、今に始まったことじゃない。僕が子供の頃から既にそうだったし、僕自身もその頃から気付いていた。仮に現場の教師たちがそれぞれ問題意識を持って取り組んでいたとしても、どうしても限界や制限もあるし、この国の現状がこれでは心ある教師から順に疲れ果ててしまう。就職活動で「頭がいっぱいな状態に、させられている」学生さんたちの言葉の中には、彼女ら彼らが直観的に感じているこの社会の危機が顔を覗かせる。 

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今年は、カモミールのパワーがスゴイ。整備した甲斐があったなぁ…可愛すぎるやろう。でも摘んでお茶にしちゃおっかな~~~~(笑)

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我が家の暴君(笑)キウイ。とにかく、何でこんなにのびるの?って思うほど、ギュンギュンにのびる。今年こそ摘果して大きくしないと…枝を切っても、葉っぱつまんでもキウイの香り。恐ろしいヤツ。アホほど獲れるけど、僕はキウイアレルギー(笑)

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孤高のチューリップちゃん。独りで大人の雰囲気を醸し出している…

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これは春の初め、ジューンベリーが咲いた際の写真。この白い花が辺り一面に散ったら、いよいよ本格的な春が始まる。それにしても綺麗。近くを飛び交う鳥たちの、ソワソワ感が伝わって来る。

今年からは、授業最初のアンケートに「これまでに、死んでしまいたいと思ったことや、そんな風にして悩んだことはありますか?もしあるならば、その悩みは何によって引き起こされたのだと考えますか?」という項目が加えられた。これはただ単にそれぞれの経験について尋ねているんじゃなくて、今の時点で改めて「自己観察」して書いてもらうことに主眼を置いている。 

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キッチンの野菜棚から、白菜様の雄たけびが聞こえる。なんじゃこりゃぁぁあ!!?白菜大観音が花を咲かせていた…

この社会に居場所を得るために、「取り引き」をせまられるような世の中…「そこには本物の言葉も人間も、感じられないでいます」と書いてくれた学生さんたち、損得勘定して割り切ることが大人になることだとは、どうしても思えないでいる人たちに、光射す時間というか…多くのきっかけや意味のある授業がしていきたいなぁ…と、タイムの間を飛び交うミツバチの羽音を聞きながら、毎年のように思う。

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ぽっかり空いた時間に、双ヶ岡の山を散策。グルグルのヤツラが、ギュンギュンきてる。いいね、斜めになったのをしり目に、まっすぐ伸びて(笑)

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近所の桜。最近人間、騒いでるけど、どうしたの? って、かわいくつぶやくが如く。いい風が吹いていた。