タローさんちの、えんがわ

「音楽をする」って、 「音楽的に生きる」ってこと

2021年、夏至祭

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天地の塔、今年はマコモ縄とドクダミの花が螺旋に巻き付けられた

6月21日(月曜日)、京北・夏至祭…これはイベントでもフェスでもコンサートでもなくてホントに「祭」なので、休日平日に関係なく夏至の当日に行なう。この国もこの社会も…早くそのことに気付いて、そういう暮らしを取り戻すことができたらいいのにと心から思う。
※この夏至祭は、特定の宗教にだけ基づいたお祭ではありません
2021年夏至祭記録映像 https://youtu.be/QBqzk5RSh78
2021年夏至祭準備記録映像 https://youtu.be/wcRHcWQ7xv0

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我が家のハーブ園は人知れぬドラマに満ちている
今年はなかなかレアな年で、夏至点が昼だったから昼の乾杯から祭がスタートした。数日前に設置した「しあわせの輪」や「天地の塔」を花やハーブで飾り付けながら、ゆっくりとお茶会。近所の友人たちはそれぞれやって来たタイミングで「ウツシダマ」をつくり、何気ないお喋りをしながら時間を過ごす。

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われらがアイドル、かやちゃんの今年のウツシダマ

夏至の日のハーブを摘んで、天地の塔やしあわせの輪、ウツシダマを飾ったり、料理に使うのが毎年の行事。ある程度は整備していたけれど、雨が続いた後はやはりハーブ園がカオスになっている(笑)でも、あまりにも手の入った庭は、それはそれで管理が行き過ぎた社会のようで、寒々しくもある。自然の、人知れぬドラマが見え隠れする庭の方が、せめぎ合いとしてはバランスが良いようにも感じるし、何より分け入った時にワクワク感がある。

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夏至点の乾杯の後はお茶会…イチゴケーキが美味過ぎる!大人が問われる瞬間…

今年はジューンベリーが当たり年で、ヒヨドリたちの来襲も少なく(笑)今までにない量が収穫できたので、「ジューンベリーをその場で絞ってソーダやワインで割って飲む」っていう、贅沢な遊びを始めた。砂糖不使用でも、とんでもない甘さとさわやかな香り!

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前の日に子供たちも加わってジューンベリー収穫…雨の如くベリーが降る

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その場で絞ってジュースにして飲むという贅沢…夜にはソーダやワインと割って飲む

ルーベリーも目下、鈴生り状態…子供たちがちょいちょい採りに行っては口いっぱいに頬張る。この日は太陽も人のエネルギーも何だかすごくて、まるで時代が早くも次に進んでしまったかのようだった。

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去年と違って、剪定が効を奏したのか大豊作…生い茂ってジャングル状態だけど(笑)

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夏至祭の昼間、近所の友人たちは自由なタイミングでやって来る

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前日までに設置された輪は、当日に花やハーブで飾り付けられる

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杉の葉は覚醒系のエッセンスがあるらしいが、確かに設置時、みんなハイになってる(笑)

毎年書いてるけど、聖なるの「聖」は「ひじり」と読み、これは元々「日を知る」の意。古来からこういう節目の日は、自分がどう生きるかを自然天然世界に向かって宣言する日でもあった。何気ないお喋りや遊びも、この日は聖なる儀式へと変容する。

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天地の塔の輪は、こうして回せる

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これがウツシダマ。ワラを丸く結んで行き、そこへハーブや花を飾り付ける。

夏至祭は冬至祭と同じく、地域住民しか参加できない「閉じた祭」なんだけど、僕はこの「閉じる」ことの意味について、「開く」ことと同じくらいにこだわって来た。「輪をくくる」…これは歴(れっき)とした知恵やアートだと思っている。

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ウツシダマは、それぞれの手で作られた後、こうして日に投じられる

ちなみに、世界各地に残る夏至の祭は、古来から男性性と女性性の融合…いわば二つの極の共鳴や融合がテーマの一つだが、エントランスの「天地の塔」も、天と地を結び付けるシンボルとして、祭会場である我が家の入り口に建てられている。横軸に作られた回転する輪は、ちょうど天と地の間にある僕たちの世界を表す格好になっているが、これも搭をはじめて建てた際に、自然とそういうデザインになった。縦軸や横軸、輪や回転といった要素が、万国共通のシンボルとして、この現象世界を表していく過程を、作りながら追体験しているというわけ。

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ウツシダマは、お互いが作っている過程を眺められるのも楽しい

そして「ウツシダマ」は、この夏至祭の要でもある儀式。かつて日本には、罪や穢れ、邪な想いやネガティブな想いなどを祓う方法として、石を使う方法があった。小さな石を手に取り、体温と同じ温度になるまで握りしめ、そこへネガティブな思いを移行させ封じ込めると、それを川に投げ入れ、水の流れによって浄化させていたという。よく、川で拾った石を持って帰るな、と言われたものだが、そこにはそんな理由もあったという訳だ。

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夫婦で作ってるのを見ると、それぞれの個性が滲み出てて面白い

夏至祭の「ウツシダマ」は、そんな「浄化」のアイディアを持つ儀式。ワラの紐を丸めて結びながら、そこに上記のような想いや浄化したい記憶などを込めていく。そしてそのワラの玉を、夏至の強い光を受けたハーブや花で飾りながら、エネルギーをカワイく美しいものに「変換する」のが、このウツシダマ。こうしてできたカワイくて美しい作品を、それぞれが火に投じる。自分の創造性でもって変換したエネルギーを、火を通して地球に返すというワケ。

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ジョンさんの今年のウツシダマは、コーヒーカップ型…おもろい

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親子で作っていくのも楽しい

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自然に、お祈りしちゃう

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火の持つ意味について、自然に色々考えちゃうね…

それにしても、持ち寄りパーティーのクオリティの高さが毎年ヤバい。みんなの創造性や日々の心持ちに、いつも感心させられる。地域に住む友人たち、そしてこの日の有り難き「し合わせ」に感謝。

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こうして、この日に集ってみんなで乾杯できることに感謝

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夏至祭の夜は、恒例の持ち寄りパーティー…ハーブを使った料理が並ぶ

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ヤバいっていう言葉を連発する世の中の風潮は、どうかと思ってる方なんだけど…

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…それでも、ヤバい!うまい!どうなってんの!?を連発してしまう(笑)

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見とれてて、食べ損ねた…くやしい!

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ここに書くの忘れてる人もいるけど…毎年、全部味見できない…。

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僕は今年は変化球で…雲南省の朝の屋台で食べた汁ビーフンと、ラフマジュンのソース

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テーブルに、沢山の手が伸びてる光景って、好き

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※そろそろ我が家の構造的キャパを、次のレベルにアップすることを考えなければ…💦

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食の儀が終わると、皆が外に出て…

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「しあわせの輪くぐり」が始まる

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輪くぐりの時に演奏される笛が、これ。

しあわせの輪くぐりは、カップルでも家族でも、友人同士でも…相手のいない人は一人でもできる。一年に一度の「結婚式」みたいなもので、夏至祭の「女性エネルギーと男性エネルギーの共鳴と融合」を象徴する儀式。結構楽しい♫
お祭って、「時間の中の定点観測」みたいなところがあって…それぞれの、一年の間の変化や成長が見えたり、これまでの何年もの歩みを眺めたりできて、感慨深くなったりもする。

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ちなみに、こうして友人たちが集まって、設置や後片付けをする

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準備や後片付けは「前祭」「後祭」ということになっていて、楽しいお茶会や食事会でもある

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ジューンベリーは予想以上の収穫だったので…

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夏至祭だけでは飲み切れなかったから…

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こうして発酵させたのを楽しみながら、祭の余韻を味わっている