6月21日(月曜日)、京北・夏至祭…これはイベントでもフェスでもコンサートでもなくてホントに「祭」なので、休日平日に関係なく夏至の当日に行なう。この国もこの社会も…早くそのことに気付いて、そういう暮らしを取り戻すことができたらいいのにと心から思う。
※この夏至祭は、特定の宗教にだけ基づいたお祭ではありません
夏至の日のハーブを摘んで、天地の塔やしあわせの輪、ウツシダマを飾ったり、料理に使うのが毎年の行事。ある程度は整備していたけれど、雨が続いた後はやはりハーブ園がカオスになっている(笑)でも、あまりにも手の入った庭は、それはそれで管理が行き過ぎた社会のようで、寒々しくもある。自然の、人知れぬドラマが見え隠れする庭の方が、せめぎ合いとしてはバランスが良いようにも感じるし、何より分け入った時にワクワク感がある。
今年はジューンベリーが当たり年で、ヒヨドリたちの来襲も少なく(笑)今までにない量が収穫できたので、「ジューンベリーをその場で絞ってソーダやワインで割って飲む」っていう、贅沢な遊びを始めた。砂糖不使用でも、とんでもない甘さとさわやかな香り!
ブルーベリーも目下、鈴生り状態…子供たちがちょいちょい採りに行っては口いっぱいに頬張る。この日は太陽も人のエネルギーも何だかすごくて、まるで時代が早くも次に進んでしまったかのようだった。
毎年書いてるけど、聖なるの「聖」は「ひじり」と読み、これは元々「日を知る」の意。古来からこういう節目の日は、自分がどう生きるかを自然天然世界に向かって宣言する日でもあった。何気ないお喋りや遊びも、この日は聖なる儀式へと変容する。
夏至祭は冬至祭と同じく、地域住民しか参加できない「閉じた祭」なんだけど、僕はこの「閉じる」ことの意味について、「開く」ことと同じくらいにこだわって来た。「輪をくくる」…これは歴(れっき)とした知恵やアートだと思っている。
ちなみに、世界各地に残る夏至の祭は、古来から男性性と女性性の融合…いわば二つの極の共鳴や融合がテーマの一つだが、エントランスの「天地の塔」も、天と地を結び付けるシンボルとして、祭会場である我が家の入り口に建てられている。横軸に作られた回転する輪は、ちょうど天と地の間にある僕たちの世界を表す格好になっているが、これも搭をはじめて建てた際に、自然とそういうデザインになった。縦軸や横軸、輪や回転といった要素が、万国共通のシンボルとして、この現象世界を表していく過程を、作りながら追体験しているというわけ。
そして「ウツシダマ」は、この夏至祭の要でもある儀式。かつて日本には、罪や穢れ、邪な想いやネガティブな想いなどを祓う方法として、石を使う方法があった。小さな石を手に取り、体温と同じ温度になるまで握りしめ、そこへネガティブな思いを移行させ封じ込めると、それを川に投げ入れ、水の流れによって浄化させていたという。よく、川で拾った石を持って帰るな、と言われたものだが、そこにはそんな理由もあったという訳だ。
夏至祭の「ウツシダマ」は、そんな「浄化」のアイディアを持つ儀式。ワラの紐を丸めて結びながら、そこに上記のような想いや浄化したい記憶などを込めていく。そしてそのワラの玉を、夏至の強い光を受けたハーブや花で飾りながら、エネルギーをカワイく美しいものに「変換する」のが、このウツシダマ。こうしてできたカワイくて美しい作品を、それぞれが火に投じる。自分の創造性でもって変換したエネルギーを、火を通して地球に返すというワケ。
それにしても、持ち寄りパーティーのクオリティの高さが毎年ヤバい。みんなの創造性や日々の心持ちに、いつも感心させられる。地域に住む友人たち、そしてこの日の有り難き「し合わせ」に感謝。
※そろそろ我が家の構造的キャパを、次のレベルにアップすることを考えなければ…💦
しあわせの輪くぐりは、カップルでも家族でも、友人同士でも…相手のいない人は一人でもできる。一年に一度の「結婚式」みたいなもので、夏至祭の「女性エネルギーと男性エネルギーの共鳴と融合」を象徴する儀式。結構楽しい♫
お祭って、「時間の中の定点観測」みたいなところがあって…それぞれの、一年の間の変化や成長が見えたり、これまでの何年もの歩みを眺めたりできて、感慨深くなったりもする。